家を売却してもローンが残ってしまう!そんなときどうすればいい?

以前10年ほど任意売却のお手伝いをしていたので、

「家を売ってもローンが残ってしまう!」

そんなお客様がほとんどでした。

収入が減って住宅ローンが返せなくなった、というケースはもちろんですが、離婚で家を処分するなど、終の棲家でローンを組んで購入した家を手放すことはけっこうあります。

しかし、よほど条件の良い物件ならまだしも、新築で購入したときから値上がりしている家など少ないですよね。
売却して住宅ローンの一括返済にあてても、数百万単位で借金が残ってしまう。

日本の銀行が採用している住宅ローンは遡及型(リコースローン)と呼ばれ、家を処分してもローンが残る場合、借りた人に残りの借金の返済義務があります。

一方、欧米などではほとんどが非訴求型(ノンリコースローン)を採用しています。
家の売却だけですべて完結します。売却したお金で借金を完済できなくてもチャラになり、借りた人に残債務の請求がされることはありません。

イメージとしては、

日本=リコースローン=「人」に貸す
欧米=ノンリコースローン=「家」に貸す

という感じです。

個人的には日本もノンリコースローンを採用すべき、とは思いますが、バブル期に不動産の担保価値だけでどんどん融資をしてしまった教訓もあるので、なかなか難しいでしょうね。

さて本題です。

家を売って数百万レベルの借金が残ってしまい、手持ちのお金もなくて返せない場合はどうすればいいのでしょうか?

以下、解説していきます。

-Contents-
1.残りのローンを分割払いにする
2.自己破産する
3.個人版民事再生は使える?
4.まとめ

1.残りのローンを分割払いにする

原則的には、担保を設定した家を売る場合、売却時点の金利で計算して「ローンの一括返済」をするのが原則です。

しかしそれでは売りたくても売れない状態になるため、救済措置があります。

これはあまり公になっていないのですが、残債務についての念書を金融機関と交わし、月何万円とか取り決めをして、借金を返していくことができます

金融機関によって呼び方は違いますが「分割弁済に関する申出書」みたいな感じ。

しかし、もう自分のものではない、住んでもいない家のローンを返していくなんて、よほど強靭な精神の持ち主じゃないとできませんよね。

たとえば500万円の借金を月3万円ずつ返したところで、14年近くかかります。

その頃にはもう別の生活が軌道に乗っているでしょうし。

2.自己破産する

「そんな借金返していくのはしんどい!!」

それなら自己破産という手があります。
ギャンブルや遊びで散財して作った借金だと、裁判所が免責(借金をチャラにする)を認めないことが多いのですが、住宅ローンの残債務などには比較的寛容です。

自己破産のデメリットとしては、「借金できない」「クレジットカードが作れない」くらいで、巷で言われてるように選挙権がなくなるなんてことはありません。

ただ、いわゆる「士業」に就いている人は注意が必要で、破産すると資格が取り上げられます。医師や弁護士、税理士などはもちろん、宅地建物取引士なども該当しますので、不動産関係の人は自己破産できない可能性もあります。

またカードが作れたり借金ができたりするまでの期間ですが、5年とも7年とも10年とも言われています。
死ぬまでカードが作れないなんてことはありません。

3.個人版民事再生は使える?

「個人版民事再生の制度を使うと、家を手放さないでローンの組みなおしができますよ~」

そんな指南が他のブログなどを読んでいるとたまに出てきますが・・・

そんな面倒なことしなくても、ローンの返済がきつくなってきたときに直接銀行に相談に行けば、返済額や返済期間の見直しをしてくれます

主だった借金は住宅ローンしかないのなら、民事再生を選択すべきではありません。
弁護士さんや司法書士さんに依頼する費用もバカになりませんから。

4.まとめ

今まで説明してきたことを知らないと、売ろうにも売れず、ローンの返済を放置したまま最悪は強制競売ってことにもなりかねないので、まずは融資をした銀行に相談してみましょう。

30年とか40年とかで借金をすること自体が普通ではないので、還せなくなること自体別に恥ずかしいことでもやましいことでもありませんよ。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年 北海道釧路市出身。 大学進学から上京するも、25歳までは、バイトなどで稼いだお金で海外バックパッカー→またバイト・・という生活を続ける。 26歳のときに一念発起。 独学で宅地建物取引士(当時は主任者)の資格を取得し、不動産業界に飛び込む。 10年間、不動産売買の仲介をメインに活動。 その後は土地分譲や不動産コンサルティング、賃貸管理など、活動の幅を広げる。 現在は愛媛県に移住し、住宅産業の仕事に関わる。 資格は宅建のほか、公認不動産コンサルティングマスター、インテリアコーディネーター、二級FP技能士、賃貸不動産経営管理士など多数。 家族は妻と1男1女。趣味は旅行。