日本の民泊新法のパクリ?ハワイのバケーションレンタル規制とは

ハワイでバケーションレンタル法案が条例化---こんなニュースを目にした方も多いと思います。
この規制について、(ハワイが好きな)不動産のプロの目線で考えていきます。

-Contents-
1.ハワイでバケレン規制法案が成立
2.需要から生まれたバケレン
3.無認可バケレンの問題点とは?
4.日本の「民泊新法」に追随したかのような流れ

1.ハワイでバケレン規制がスタート

ハワイで「バケーションレンタル規制法」が8月から施行されています。

そもそも、この「バケーションレンタル」(以下、「バケレン」とします)っていったい何なんでしょうか?

今さら言うまでもないですがハワイは世界有数の観光地で、年間で995万人もの観光客が押し寄せています(2018年)

そのうち3分の2はリピーター、つまり、2回以上ハワイを訪れている人です。
ハワイはリピーターが多いというのが特徴のひとつで、筆者も過去5度、ハワイに行っています。

ワイキキの高級ホテルに宿泊、買い物ざんまいで豪遊するひともたくさんいますが、何度も訪れているとそんな遊び方には飽きるでしょうし、お金をたくさん持っている観光客ばかりでもありません(筆者もしかり・・・)

2.需要から生まれたバケレン

ハワイはいろいろな楽しみ方ができる観光地ですが、中期滞在のばあいは特に、宿泊費を安く上げたいという需要が大きくなります。

そのため、ふだんは使っていない別荘やコンドミニアムの一室を、短期~中期で観光客に貸し出す。これがバケレンと呼ばれ、バケレンを運営するにはライセンスが必要です。

しかし、無認可でのバケレン運営があとをたたず、ハワイ・オアフ島全体で6000~8000件の無認可バケレンが横行しているそうです(2万件という説もある)。逆にライセンスを受けている「ちゃんとした」バケレンは770件しかない。

無認可でもバケレンがたくさんあることで観光客の誘致にはなるため、ハワイ政府としてはあえて見て見ぬふりをしてきた部分もあるようです。しかし、さすがに見過ごせない状態まで来た、というところでしょうか。

3.無認可バケレンの問題点とは?

無認可バケレンの何が問題なのか、政府の主張と合わせて見ていきましょう。

①地域のインフラに負担をかけている

これはハワイ政府の主張で、ちょっとわかりにくい表現ですが、「地元の人たちが迷惑している」という事だと思います。

ハワイは一大観光地ですが、きらびやかなのはワイキキなど一部のエリアだけです、ちょっと車を走らせると古くからの居住地域がたくさんあり、決して裕福とは言えない地元の方々もたくさん住んでいます。

となりの家の住人が一週間単位で入れ替わり、アジア人のファミリーが来たかと思うと、今度は白人の若者グループが来て騒いだり・・・みたいな状況は、地域の住人からすればイヤですよね。

②税金が取れない

ハワイでホテルやコンドミニアムに宿泊すると、消費税とホテル税をばっちり取られます。

消費税が4.712%、ホテル税が10.25%なので、合計で約15%の税金。

たとえば7泊の宿泊費合計が10万円の場合、約1万5千円の税金が取られます。

無認可のバケレンの多くは税金を払っていないでしょう。
オーナーからすれば税金を払わないぶん宿泊費を安くできますし、闇営業ならぬ「闇バケレン」が宿泊費の高いハワイで横行するのは、必然かもですね。

法律を厳しくして闇バケレンを取り締まり、今まで無認可だったバケレンに新しくライセンスを与えて税金を取る。これが法案のメインの目的じゃないかと思います。

地域のインフラがどうこう言うのは表向きの理由かな。

 

4.日本の民泊新法に追随したかのような流れ

今後もハワイの闇バケレンは完全になくなることは無いでしょう。

宿泊者にペナルティーが科されていく可能性もゼロではないので、そういうところには泊まらないのが一番だと思います。

日本でも、昨年に民泊新法がつくられました。
(民泊とは、ハワイのバケレンと同じようなものと考えてください)

民泊新法は、かなり厳しい法律です。
この規制で、それまでグレーゾーンだった民泊の大部分が「違法民泊」としてマーケットから締め出されました

日本の民泊の多くは、バケレンと同じくふつうの住宅地にあります。
外国人宿泊者が周囲にゴミを散乱させたり、夜中に大騒ぎしたりで問題が大きくなり、法律で一気に規制をかけ民泊施設そのものが減りました。

増えつづける外国人観光客の受け皿としてはとても数が追い付かず、日本はどこもホテルの宿泊費が高騰し、予約も取りにくくなっています

この日本の現状を踏まえると、闇バケレンが締め出されるハワイでも、全体的に宿泊費が底上げされることが考えられます。

ハワイ旅行を計画している方は、早めに宿泊先を予約したほうが良い?かも。

追記(2019年9月)

来年ハワイに行く予定の知人の情報によると、やはり宿泊費が上がっているそうです。その人がいつも泊まっているコンドミニアムはややグレーゾーンなので、日本の代理店を通したら高くなった、らしい。ハワイのホテル業界の圧力もあるのでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年 北海道釧路市出身。 大学進学から上京するも、25歳までは、バイトなどで稼いだお金で海外バックパッカー→またバイト・・という生活を続ける。 26歳のときに一念発起。 独学で宅地建物取引士(当時は主任者)の資格を取得し、不動産業界に飛び込む。 10年間、不動産売買の仲介をメインに活動。 その後は土地分譲や不動産コンサルティング、賃貸管理など、活動の幅を広げる。 現在は愛媛県に移住し、住宅産業の仕事に関わる。 資格は宅建のほか、公認不動産コンサルティングマスター、インテリアコーディネーター、二級FP技能士、賃貸不動産経営管理士など多数。 家族は妻と1男1女。趣味は旅行。